日米開戦後、日系人ゆえに米国への忠誠心を見せるためにも勇猛に戦った伝説の部隊「442連隊戦闘部隊」への志願兵

ハワイ日本人墓地の墓標に刻まれた移民1世の出生地

あるハワイ移民の遺言 〜ハワイ・ヒロシマ・ナガノを結ぶ移民1世と3世の物語〜

ケネス・T・オカノ & 片山久志著 四六判229ページ 定価1600円(税込) 2005年5月発売

日本はブラジルや満州に先行して明治初年から大量の移民をハワイに送出した。真珠湾攻撃当時、全ハワイ島民の4割弱は日系人。日系3世のケネスは戦前の日系社会で奔放に少年期を過ごし、終戦後に進駐軍CIC(情報部隊)の通訳として日本に渡り広島の惨状を直視する。除隊後、親交を結んだ長野県出身の1世老人が遺した意外な遺言を機縁として、存在しないと思われた親族との時空を越えた交流が始まる。貧困や戦争に翻弄されながらも、力強く生きたハワイ移民の日常とその血脈を伸びやかに描くノンフィクション。戦後60年の本年はハワイ本格移民開始120年にあたる。

 
 「まえがき」より
 共著者のケネス・T・オカノは、1927年、ハワイ・マウイ島最東端の孤立した町「ハナ」のプランテーションで生まれ、育った日系移民3世である。
 移民というとブラジルや満州がうかぶが、日本からの本格的な移民はハワイが最初だった。19世紀末から20世紀はじめにかけての移民最盛期、ハワイに渡った日本人の多くは、サトウキビ農場で一定期間働く契約移民だった。(中略)
 移民話は、開拓の苦労や戦争にまつわるものが多い。ケネスの家も太平洋をはさんだ日米戦に翻弄されたはずだが、本書に苦労話やグチめいた話はほとんど出てこない。楽しかったハナでの少年時代、3世軍人が見た終戦直後の日本、1世老人との心温まる交流と日本再訪を、年老いてなお少年のようなみずみずしい感性で記している。
 
 「あとがき」より
 私の祖父の弟であるハジメ・カタヤマは21歳でハワイに渡ったまま、郷里に帰ることなく91歳で生涯を閉じた。彼の棺をかついだひとりであるケネスによると、ハワイを永眠の地と定めたハジメは、生前に墓地を購入、墓石に日本の出身地と氏名を漢字で彫らせ、神式の葬儀を遺言していた。時おり、知人を自分の墓地に案内し、ご満悦だったという。
 ハジメは人生の大半をハワイですごした。途中、太平洋戦争もあって日本との音信は途絶えがちで、親族のだれにも知られず病院で息を引きとった。日本の親族に彼の死がもたらされたのは、死後20年もたってからだった。
 
●目次より●
第1章 ふるさとはプランテーション
日本キャンプ/ハナのイッセイ日本人/プランテーションのにおい/サトウキビ農場でのアルバイト/ほか
第2章 楽園の少年
ハナの日本語学校/ワルサと刑務所/モイの地引き網漁/フルーツ天国/ほか
第3章 日系社会と真珠湾
頼母子講/センニンバリとイモンブクロ/ヒロヒト天皇と鉄の木/戦時下の学校生活/日系兵士/ほか
第4章 サクラと進駐軍
軍隊志願/日本語特訓とヒデキ・トウジョウ/ワッカナイ分遣隊/ヒロシマへ/原爆は要らなかった/ほか
第5章 移民1世の遺言
1世のヤードマン/遺言状/長野県須坂市への手紙/身内がいた/ほか
解説●ハワイ移民の光と影
ハワイ移民小史/ハワイ国王と明治天皇の会談/期待された外貨獲得/写真花嫁/真珠湾奇襲/太平洋戦線最大のタブー/CIC(対敵情報部隊)/日系人と日本人/ほか

故 竹内裕二氏

アルフレド・カセーロと竹内家の子供たち

月の涙とアルゼンチン 〜南米移住 悲喜劇を越えて〜

竹内佐知子著 四六判253ページ 定価1600円(税込) 2004年3月末発売

夫長野・妻仙台出身 → ネパールで出会い → インドで再会 → 和歌山で新婚生活 → アルゼンチンへ移住
あの「島唄」のアルフレド・カセーロや懐かしのグラシエラ・スサーナも登場!
 
 日本から最も遠い国、南米アルゼンチンへ旅と自由を愛する家族が移住した。転勤でも駐在でもなく、現地企業にスカウトされて。大草原とアンデス山脈、牛肉とワイン、タンゴとフォルクローレ、陽気な友人と日系移民…。首都ブエノスアイレスで異邦人が織りなすドタバタな日常を通して描かれるアルゼンチンの風土と気質、旅に暮らす家族の絆。そして、終章で迎える突然の悲劇―。失意の底で夫人に見えてきたものは…。
 現地の食と音楽、生活文化をふんだんに盛り込んだ南米移住顛末記。
 
第1章 旅の始まり
青い顔してネパールで/重なる偶然/心理戦/結婚/和歌山の元旦ベビー/月の祭り
第2章 我ら平成移民 
アルゼンチン上陸/アパート探し/おじいちゃん海を渡る/親子で入園・入学/クリスマスと正月/KISS/カフェ/牛肉天国のアサード/ワインとマテ茶/狙われる日本人/鳩騒動/年に一度の帰国
第3章 アミーゴと日系人
子供のスペイン語と日本語/住職とモニカ/国際郵便局/日本人村と駐在員/セイボ会のバザー/楽しむ心/日本人移民/日系人カラオケ大会/国家経済の破綻と我が家の帰国/マンション購入と移住権取得
第4章 アルゼンチンへようこそ
ブエノスアイレス案内
広大なアルゼンチン
【メンドーサ】【イグアスの滝】【パタゴニア地方カラファテ】【パタゴニア地方ウシュアイア】
南米の隣国
【ウルグアイ】【チリ】
第5章 月の涙と小夜曲
タンゴ/月の涙/葬儀/アルフレド・カセーロ/アルゼンチンの生活を続けよう/夢で会えたら/引っ越し/DVDのレコーディング/バンドネオンの新星とギターの巨匠/グラシエラ・スサーナ/三人旅
 

タンゴカフェで歌うグラシエラ・スサーナ(2003年11月)

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  アボリジニと私

荒野をわたる風になれ ーオーストラリア・牛追い修行ー
サニー池内著 四六判 264p 1528円(税込) 1997年1月初刷
オーストラリア最奥地でのアボリジニとの交流を大らかに描く
 
1 夢の大地へ
 少年のころからの夢/オーストラリアで生きていこう/夢の大陸/警察署でのひと夜/オージー2500人の支え
2 新米マネージャー
 舞いこんだ牧場経営のはなし/こんなところだったとは/水が出ない、電気もつかない/野生牛とマンゴーの晩さん/フェンスはどこまでも/初めての買いだし/今、自分はどこに/よみがえる原始の血、荒野の情景/風になって生きる/汚く、弱いのが人間なんだ/雨雲が空をゆく/竜巻がくれた、ごちそう/ランクルが立ち往生/スターライト・ホテル/フライング・ドクターハ命綱/長無線の常習犯/ジョージが来た、ノーブルも来た
3 牛集め
 野生になった牛「ブル」/スタッフが勢ぞろい/マスタリングは馬が頼り/じゃじゃ馬ならし/初めてのマスタリング/ブルをなぎ倒せ/ボスはなんでも知っている/きん抜き、焼き印、また会う日まで/ジョージじいさんの災難/馬乗りを習おう
4 仲間たち
 じいさんに嫁が来た/バラマンディーを釣れ/道に出会うまで進め/闇にともる火の色/牧場殺人事件/星空の映画上映会/お気に入りの名前/ブランビーの母子/酒はご法度
5 牧場の経営
 ヘリ(チョッパ)マスタリング/去る牛は追わず/月夜の牛追い/あと100頭集めよう/光と音がない夜に眠る/売られていく牛が見るものは
6 アボリジニに学ぶ
 お金がほしくないのかい/バッファローの孤独な旅/アボリジニに助けられて/アボリジニの苦悩/文明と原始のはざまで/死線を越えて/そして、これから/自分をはっきりと意識したい